Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

紙の上での勝負

大学院での授業(学振申請書添削)でも口酸っぱく言う事だけれど,,,,「そのことは分かっています」ということを紙の上で確実に読者に伝えることは並大抵の難しさではない。100%これで大丈夫,という自分の中の程度があったとしたら,おそらく1000%または1500%くらいに強調しなければ伝わらない。卒論や修論,学会発表の練習でも言われる事だろうが,同じ事。たとえば学振だったら,ここまでやったらまぁ世界と戦えるレベルだと思います,が,やっぱりまだ甘いかもしれないし,さらにもう一歩やっておきます。はい。そのくらい分かってます,というような(わかりにくいか)。


英文和訳であってもレポートでの解答であっても,分かっています,という事をより確実に伝えるためにはなにをするべきか。読者または出題者の要求に応答する事である。つまり,出題の意図をしっかりと酌んでその意図に沿った解答をするという事。たとえばある単語の係り方がむずかしい英文和訳であれば,たとえ1文を2文に分けるような事をしても,単語の修飾関係をしっかり「明示的に」表現する事。たとえばレポートであれば,質問されている事の中心はなんであり,周辺は何であるかをしっかりとらえ,その構成をあからさまに表現するくらいでかまわない。


自分が考えている事を文に,言葉にしてみたところでほとんど伝わらないのだ,ということをいつどこで経験するか。。。。それは,自分の言葉に責任を持たねばならないとおもえる立場にいつなるか,そういう立場にいつ飛び込むか,に依存する。自分としては「大きな幼稚園児なんだからもっとわかりやすく」と言うようになったのはボートのコーチを始めた1回生の時だったのだろうなぁ。今でもできているとはとてもいえないけれど,注意しなければならないという感受性を得る事ができたきっかけとしてはあれが確かなものだった。つまりはじめて本気で困ったのだと思う。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/