Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

完璧などあり得ないと言うことの意味

あれもこれもどれもそれも、いろいろ言えないことがある、といっていては、永久に論文など書けないと思うのですよ。


極端な話、ほんまに極端な話をすれば、ゲーテルのことを考えたり、不確定性原理のことを考えたり、情報伝達には必ず時間がかかるとか速度が有限であるとか、限定合理性とか、とにかく理想の観測なんてあり得ない、ということを自分なりにすとんと腑に落としてみたらいい(そんな必要ほとんどの人はないと思うけど、でも、自分はちょっとあった)。


小難しいことはどうでもいいや。僕らの観測なんて、不備をあげつらえば星の数ほどある。しかし、現在の観測による研究という枠組みの中で、自分がしてきたことがその枠組みの中で培ってきたこれまでの知見に対して、何を新しく提示できるのか、それをしっかり見定めて、それをしっかり提示すること。


もちろん、完璧などあり得ないと言うことの意味、そのものを取り誓えてしまう人もいるので注意が必要だけれど、、、論文を書くのが苦しいのは、完璧な論理展開がほとんどの場合不可能であるからであって、そこを乗り越えなければならないのだという当たり前のことをじっくり苦しみながら考えてもらわないと困るのだ。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/