Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

夜の雨

ちょっと急用で、雨の夜、高速を走っていた。久しぶりの夜の運転、しかも雨、しかも、どんよりした気持ちというか、まとう雰囲気がどんよりしている感じ。ギターの音も曇って聞こえてくる。雨のせいじゃない。分かってる。

 

 

このところ、自分と全く違う意見、視線にはっとさせられることがとみに多い。その多くが、自分がなんだかうまくいかないなぁ、困るなぁ、と思っていることの大本に、自分自身の好ましくない行動がある、ということ。そこがこうつながってしまっていたか、、、とか、そのことでこうねじれちゃってたか、、とか、その視点が抜けていたからだめだったのか、、、とか。

 

 

ありがたいのだけれど、ものすごくへこむ。一応全力でやっているつもりなので全力でへこむ。全力っていったって、あんたの全力たいしたことないやん、ってわかっちゃいるけど、へこむ。失敗なんてない、と外には言えるけど、自分には言えない。

 

 

そんななか、最も尊敬する人から、ファンレターへのお返事をいただいてしまった。憧れの方の時間を、時間の長短ではなく、とにかく奪ってしまったことに、本当に震えてしまったけれど、その震えがなんなのかは分からず、ちょうど家に「すまん、急用であっちいくから帰り遅いわ」とLINEしていたところだったのでドギマギしてしまった。

 

 

「人類は優しくなってきていると思いますか?優しくなれると思いますか?」

 

 

これが、この20年近く、もしも願いが叶うことがあるならば、憧れの人と話してみたい、と思っていること。

 

「優しい」の定義から、自分は本当にずっとぼんやり考えてきていて、一向に考えがまとまらない。ただ、考え続けることは諦めたくない、それだけだったりする。当初は素直に考えられた。今はとてもそうはいかない。そのうえで、でも、自分なりの答えをひねり出すとしたら、どうするのか。

 

 

雨はまだ降っている。ちょっとだけ、わざと濁ったギターの音が、きれいな茶色にみえてきた。

 

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/