Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

卒論、修論での引用文献についてちょっとしたこと

論文を引用するときには、あまたある論文の中から、なぜそれを選んだのか、ということをしっかりと説明できるかどうかを毎回確かめることです。その問いかけを1つ1つの文に対してやることが、つらいですけれど大切です。自分が読んだことのある論文だから、というのはだめですよ。当然ですが。


(自分なりに、ですが)論文の質を10秒で判定しなさいといわれたら、自分のやっている研究分野であれば、実はそれほど難しくはありません。イントロで引用している論文の質で、その論文の質は分かります。ということはだいたい数秒で分かるということなんです。ちゃんと気を配れているのか、そうではないのか。5秒といわれたら、イントロの2番目および3番目のパラグラフを眺めます。1番目のパラグラフは大きな話なので、それほど厳密な論の展開がないことが多いですが、2番目、3番目のパラグラフは、自分のやっている具体的な内容へと話題を落とし込んでゆくので、大変重要に(結果的に)なっていると思います。この辺のパラグラフをざっと眺めて、どのような論文を引用しているかを見れば、質は自ずと分かるでしょう。


この点でもイントロは、当然ながら難しいのです。たとえば同位体を扱った論文を多く読んでいたとしても、その背景となる窒素循環のより包括的、定量的、globalなものは読みこなすトレーニングが必ずしもできていないからです。時間の関係上、とりあえず目先のものを読み込むだけで精一杯だったでしょうから。しかし、それではだめなのです。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/