Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

覚悟はあるの?: 「静かに退職する若者たち」(金間大介 著)

異なる筋が飛び交う中、どう、それらを扱っていいかわからなくなっている。わからなくなっている、なんて柔らかく言うのがいけない。わからなくて困っている。本当に困っている。わからない。わからないことは悪いことではないと頭ではわかっているが、しかし大変に困っている。

 

そんな中、これまで同様の明快な切り口を見せてもらえる本だった。しかし、それだけではない。

 

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厳しい本だった。

 

結局こちらの覚悟の問題ですよ?と念押しされ、全く反論の余地もない。まったくその通り。

 

となれば、やるかやらないか、覚悟を持つのか、持たないのか。逃げる逃げないでもいいように逃げ道を用意してくれているが、で、どうする?どうできる?自分。

 

ここで、どうしたい?やりたい?という中途半端な要素が混じるのが、「理想」がちらつくのがいけない。プロとしてすべきことは何なのか、という冷めた目をむしろ必死で持ち続けるくらいでちょうどいいのではないか?という筋が飛ぶ。そもそもその「理想」はいったい何なんだ?

 

しかし、理想なしで現実に対処するだけなんて、何も成長していないではないか、という筋も飛んでくる。そのまま進めてゆくことは、本質から外れてゆくだけとわかっているではないか?

 

しかし、できることは、自分の能力を考えると、決して多くない。本当に少ない。ならば、とにかくやってみるしかない。「理想」と「現実」、両方ともかぎ括弧をつけなければならない自分の能力の低さを苦々しく思いながら、とにかく進んでいくしかない。その覚悟すら今は怪しい。そこから始めないと。

 

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/