課題図書というのは素晴らしい。いま、
中村達 私が諸島である(書肆侃侃房)
を読んでいる。タイトルがめちゃくちゃカッコいいな、と気になっていたが、課題図書にならなければ手に取れなかっただろう。積極的な誤配に感謝。
http://www.kankanbou.com/books/jinbun/0601
あとがきをちょっと先に読んで、「こんな読者にも届いています!」と、ただ応援したくてこれを携帯で書いている。まだ8章までだけれど、この8章がとてつもなく良くて、ここまでの静かなイントロからポリリズム全開でグルーヴし始めた感じ。こんな読者興奮は昔々にエリアーデを読んだ時みたい、と思った。
こんなふうに紐解いていくのか、と、曲のメロディの展開、リズムの変化を聴きながら引き込まれていくように読んでいる。引用されている言葉たちが力強くてそれを持ってきたい気もするが、やはり筆者の地の文を一箇所だけ引用。読み終わったら必ず感想を、考えをまとめて西に出向こう。本当に面白い。
カリブ海における海面下での統一は、決して普遍(不変)なるものに還元されるものではなく、人種的・文化的差異がもたらす変化の終わりなき連動の総体なのだ。
—『私が諸島である カリブ海思想入門』中村達著
https://a.co/dPSUOnQ
自分の見ている「歴史」の大きな、大きすぎて気づかない偏りに、視線を合わせることが少しずつできるようになる、そんな錯覚を味わせてくれる流れで描かれていく。本当に面白いしありがたい。