「理系」と「文系」というものがどう扱われ、どう近づき離れていくのかについて、これがまさに学際的な対象であることを示しながら、時空間的に様々な軸で明快に切ってくれるとてもありがたい一冊だった。
『「学問は現実の対象に近づくほど不可避の政治性を帯びる」ことを踏まえて、それでも学問的方法論に根ざして言葉を紡ぐことの大切さ』(p233)
このような真摯な態度で全般にわたって丁寧に議論されている。
結論が簡単に出るものではない対象について、どのように真摯に向かうかという一つの好例になっているとおもった。結果ではなくその過程。考え方、考える視線、考える立場。