Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

もったいない

たとえば、定量的な議論ができるときに、それをしないで定性的な議論で終わること。


マスバランスが取れていないのですもの。はい。そうですね。でも、野外観測で完璧はありえません。
変な話、これまで世界中でやられている同様の計算と比較して、同等、さらによい結果であれば、たとえ完璧ではなくとも、公表すべきではないでしょうか?繰り返しますが、完璧ではなくても、ここまで行けている、ということは示す必要があるように感じるのですが。そして、たとえ「半定量的」であっても、「定性的」よりもどれだけましか、ということです。


ここで「これまでの結果と比較」「どれだけましか」というところが曖昧。曖昧だけれど、たとえば該当論文を10読めばだいたい分かるし、100読めばかなり分かる。そこの問題なんです。


正直、味覚にしろ、音楽の好みにしろ、自分にあう合わないといったごくごくわかりやすい判断だって、おおくの「経験」から成立しているのです。我々の研究分野では、理論と確実に会うようなデータは出てくるわけではないので、「どこまで既存研究から一歩踏み出せたか」という曖昧なところが重要になると思います。そこを、わからないわからないと嘆く前に、どれだけ「経験」していますか?というところを問いましょう。とにかく10本、そして100本、ピンからキリまで論文を眺めたら、見えてくるものがたくさんあります。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/