バイタルサインが見えて勝手にほっとする。
自分が言いたいことを言えばいいわけではないだろう。それが、かえって相手を困らせ、悲しませることになっても言いたいというその身勝手さは、むしろ年をとるにつれて明らかに強くなっている。「いつかあなたのためになる」という言葉の呪いを悪用する老害だ。いっそ黙れ。口を閉じよう。豊かな沈黙、口をつぐむことで飲み込んだ言葉をむしろ内省の糧とすることで、この纏ってしまった老害を少しでも無害化しなければならない。
思いが強いのは仕方ない。悪いことではない。しかし、なおさら黙ろう。離れよう。積極的に距離を置くのだ。