Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

申請書を読みながらの覚え書き

書くべきことはもちろん山ほどある。たとえばボトルの洗い方だって、論文中ではさらっと書くこともあるし、それだって大事な情報であることには間違いはない。


間違いはないけれど、限られたスペースの中では、示すべき情報と示してはかえって無駄になる情報がある。査読者に10分もらえたとして、このボトルはacid washしましたなんてことを言う必要があるか?


それいったって、たった1秒しかかからないからいいでしょう、という人がいる。違う。そうではない。まず1秒の価値を考え間違えているし、発表内でそのレベルの情報が少しでも漏れ出てきていたら、ああ、全体を聞いてもそういういらない情報を提供するようなレベルの発表なんだと、こちらは思う。その後は、、、具体的にはそこからは聞かないし読まないのだ。他に聞くべき、読むべきものが山ほどあるのだから。


情報は削るものだ。選ぶものだ。あえて隠すことで、残ったものをきちんと光らせること、それに留意すべき。限られたスペースしか与えられない申請書において脱線など許されない。いびつな形になってはいけない。脱線ではなく、たとえば研究全体が丸い形になっていて、その丸の直径が少しだけ大きくなるような研究の遊びの部分を表現することは大事だが、角が生えてはいけない。角は確かに短時間生えるかもしれないが、その角が生えたことによって、丸全体が大きくなるというところまで含めておかねばならない、と思う。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/