奈良原一高さんのポストカードを取り出してみた。以前は、この写真に閉じこめられた時間が、時の止まり方が圧倒的で怖いくらいだったけれど、いま、改めて眺めてみると、もしかすると、からっと晴れた、陽気とは行かないまでも、安心した時間が撮られているのかもしれない、なんて。
変わらないものは変わらない。いや、変わらないはずだと思えるものは、やはり変わらない。その変わらないことに安心していられることがどれだけありがたいことか。そんなことを気づかせてもらえる人は、本当に希有なんだなと、浮遊した屑籠を見ながらぼんやり考える。何か気の利いた言葉を書いておきたいと思うけれど、なかなか無理だなぁ。
もちろん考えすぎ。しかし、この写真、やっぱり好きだ。またどこかで見たい。