Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

仮説を支えるもの

考えた仮説が、それなりに説明できそうなのでよしよしと思っているのだが、さて、その仮説自体、本当に検証すべき内容なのか、仮説が仮説として成立しているのか、その足場が揺らいでいる。


ああ、ちゃんと書いてみよう。たとえば、DONまたはEON(EONという表記には未だに慣れないが、exchangerable (or extractable) organic nitrogenのこと)は、植物から直接来るもの(exudateなど)、間接的に来るもの(litter leachateなど)、微生物由来のもの(バイオマス)などがsourceとして考えられているけれど、どれが一番大事なのか。植物のことはわからない(供給されるアミノ酸酵素などの窒素同位体比が何によって制御されるかはそうそう簡単に予想できない)、litter leachateはおそらくほとんどlitterの窒素同位体比と変わらない。微生物については、、、何とか議論してみよう、議論できそう、というところ。しかし、議論できるからといって、解析できるからといって、それが本当に重要な要素なのだろうか?EONのdynamicsを考える上で。


おそらく、いろいろな研究者に聞けば「DONはとりあえずいろいろあるけれど微生物の死骸だと思う」とか「DONにとって微生物バイオマスはかなり効いているだろう」なんて答えが返ってくるだろうけれど、DONまたはEONと微生物バイオマスの関係を直接的に観察することは難しいし、事実、それを記述している論文になかなか出会わない。


思ったような議論が土壌に関してないのであれば、より研究の進んでいる海洋や湖沼での知見を援用するということが、いろいろな研究をやってきている自分としての長所であるべきだけれど、単純に援用することの怖さも知っているので、なかなか勇気がでない。たとえばペプチドグリカンがDONの重要なソースであることなどは、海洋では(あえて言い切れば)分かり切ったこと。しかし、海洋と土壌では、土壌というmediaの物理的化学的特性が、EONのcharacteristicsに大きく影響しているのだ。また、一次生産者のバイオマス自体も大きく違う。だいたい、EONなんて概念は海洋や湖沼には必要ないことからも、いろいろな視点が違っていることがわかる。


もう少しかかりそうだ。時間はないけれど。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/