Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

何にどう気をつけるのか

実験をしてゆくと、いろいろ気をつけなければならないことがある。しかし、そのうちのいくつかについては、自分の実感として捉えられないが、なんとなくそういうものかもね、と思いながら守っているものがある。


研究室の「伝統」は、そういった事柄の中にこそある。


1/100や1/500の確率で起こる問題であれば容易に想像できる。問題は1/2000〜5000位の問題か。問題を解決する事、それ以前に、問題を発見する事が難しい。


気の迷い、とか、気にし過ぎ、と言われかねないが、そこでこそ、研究室全体のレベルが試されるのだ。わかった上でリスクを判断しているのか、適当に勝手な判断をしているのか。例えば実験室で物を食べたり飲んだりすればコンタミのリスクはどうなるのか。


一番厳しい基準で作業をしている仲間に基準を合わせる事、と和田研では暗黙の了解があり、僕は何度も失敗し、学んだ。ジョージ・クリングのラボマニュアルにはこう書いてある、


Please ask anyone in the lab, "what can WE do?"


常に、we という意識を持つ事を意識する事で、いろいろな事が見えて来るはずだ。その意識を身につける事なく、コンタミの計算に長けても仕方ない。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/