Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

重層化された呪いを引きずり出す(「生きる演技」(町屋良平著))

「生きる演技」(町屋良平著)を読んでいる。とにかく読んでいる。止められない。

 

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鳥羽さんのXから知った。

 

こんなすごい力が小説にはあるのか。

頭がクラクラする。高校の時、大江健三郎の「同時代ゲーム」を読んだときの、あの、とてつもない、としかいいようのない、世界の複層性が押し寄せてくる。

 

なんなんだこれは。自分がはっとする文章ですら、ハイライトを引く文章ですら、自分のその反応の意味が理解できていない。なんて素晴らしい。徹底的に混乱させられつつ、連れて行かれている。

 

ふとした風景に、言葉に、視線に、意識に、過去に、瞬間に、現実に、これほどまでの呪いが、としか、今は書けない。呪いという言葉はよくないのかもしれないけれど、今はそうとしか咀嚼できない。

 

とにかく読ませてもらっているこのことに、感謝としかいいようがない。読み終わったら、感想など書けないかもしれない。けれども、とにかく、たとえ途中で読むことが止まったとしても、絶対に人生において大事な一冊になることは間違いない。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/