「生きる演技」(町屋良平著)を読んでいる。とにかく読んでいる。止められない。
鳥羽さんのXから知った。
もうこの際はっきり言うと、町屋良平『生きる演技』は過去15年に読んだ長編小説の中で1位。
— 鳥羽和久 KAZUHISA TOBA (@tobatoppers) 2024年3月18日
こんなすごい力が小説にはあるのか。
頭がクラクラする。高校の時、大江健三郎の「同時代ゲーム」を読んだときの、あの、とてつもない、としかいいようのない、世界の複層性が押し寄せてくる。
なんなんだこれは。自分がはっとする文章ですら、ハイライトを引く文章ですら、自分のその反応の意味が理解できていない。なんて素晴らしい。徹底的に混乱させられつつ、連れて行かれている。
ふとした風景に、言葉に、視線に、意識に、過去に、瞬間に、現実に、これほどまでの呪いが、としか、今は書けない。呪いという言葉はよくないのかもしれないけれど、今はそうとしか咀嚼できない。
とにかく読ませてもらっているこのことに、感謝としかいいようがない。読み終わったら、感想など書けないかもしれない。けれども、とにかく、たとえ途中で読むことが止まったとしても、絶対に人生において大事な一冊になることは間違いない。