Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

むちゃくちゃ怖い「あなたのためを思って」

「あなたのためを思って」という言葉。口に出さないように心がけている。が、心の中では結構な頻度で反響している。

 

うそじゃない。確かに目の前のあなたのためを思って言っている。うそじゃないはずなんです。

 

言っているけど、嘘じゃないけど、でも、100%純粋に言えるなんてもう自分にはあり得ないことも知っている。黒く染まってしまっていることを知っている。そこに、その黒に目を向けると、1%なのか0.1%なのか、、、、いやいや、そんな嘘つくなよ、20%くらいあるんじゃないの?私利私欲が、という声が聞こえてくる。

 

でも、翻って、目の前のあなたにとってよいだろうと思っているところだって0ではない。絶対にある。ただ、100%とはどうしても言い切れないだけ。この「いいきれない」が科学者の端くれとしての、へんてこりんな、ねじれた思考の産物だとしたら、ほんま面倒くさい人になっちゃったもんだと頭を抱えるしかない。なにやってんのよ、と。人を励ましたいときに、いらんこじらせなんぞいらんでしょう、と。

 

誰にたいしても、できるだけその人の、その人たちのためになるように、というのは嘘じゃない。おそらく「普通」のひとからは「なんでそこまで」ということもあることも知っている。十分知っている。長年言われ続けている。でも、それでも、100%なんてあり得ない。遙か通いところ。

 

この悩み、幼稚園の頃から、結局変わっていない。カラマーゾフの兄弟を呼んでいたあのときだけ少し解放されたけれど。いま、「立場」のある年齢になってしまって、もうがんじがらめになっている。何を言っても嘘くさい、、、、、どうしたものだろう。

 

悩んでも仕方ないので論文を整理する。twitterだかXだかにただひたすらあげているのも、特に私利私欲はないはず。ただ、単に、なんか役に立つかもねぇ、ってだけ。でも、どうなんだろうか本当は。

 

疑り深いのが科学者の大事な点であることは認める。でも、単にこじらせてたり、単に面倒くさい人になってない?あたし。。。。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/