京都の下宿にいた。
P波で起きた。ブラウン管モニター(時代だ)の上に載せていたキーボードが頭にぶつかった。とてつもなく揺れた。なにせ3つ先の部屋まで話し声が聞こえるような安い下宿だったので揺れに揺れた。
テレビをつけたが、どうにもこうにも神戸だけ震度がでてこない。不安だった。朝だいぶだってから、ものすごい映像が流れてきて呆然とした。
キーボードが落ちてきたこと、それがへんに印象に残っている。うまく黙祷することが実はこの25年できていない気がする。どうにもこうにも心の整理はきちんとできないまま、東京でまた違う瞬間を迎えて、大阪でさらに違う瞬間があり、やっぱりどうにも整理はつかない。時間は流れてゆくけれど。