Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

ほんの些細な、向く方向の違い

学生に関する委員会に出ると、本当にいろいろ考えさせられる。教員の立場と学生の立場、どちらに寄り添うべきか、どこに重みを持たせるべきか、をほんのちょっと変えるだけで、物事の見方はがらっと変わることが、実はかなり多い。


その辺のバランス感覚は、大変重要だし、大変微妙だし、大変もろいものだということ。一枚岩なんてとんでもない。毎日毎日、岩のようなものについて考えると言うよりもむしろ感じながら、綱渡りで進んでゆくしかない、のだろう。


研究室の運営だって同じこと、というかより顕著に危ない場面が訪れる。完全top-downにしてしまえば、たとえば仕事は今の数倍進むだろうし、ある意味大変手堅いだろうし、それがやるべきことなのかもしれない。一方で、それは本当に大学のやるべきことなのだろうか、自分が今この大学のこの立場にいるということの意味として、それでよいのだろうか、とも思う。その辺の揺らぎは、毎日、というレベルではない、毎時間どころかほとんど毎分のレベルだ。バランスなんて取っている訳じゃない。振り返ったら、平均してそういうバランスだったのだ、というだけだろう。平均値だけじゃなくて、振れ幅をしっかり見定めないといけない。


お山の大将ほど楽なものはない。とてつもない甘美な時間を与えてくれる。あまりに魅惑的で抗しがたい。それが恐ろしい。実際、どこまで甘い誘いに抵抗できているのだろうか。日々、崩されている気がしている。


研究室として外部評価を受ける仕組み立てをそろそろ本気で考えてもいいはずだ。3年生にやってもらうというのもいいのかも。ミニ研究室公開をかねて。しかし、さすがに評価は難しいか。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/