Vanity of vanities

Kei Koba 2009~

主体性と支配のねじれた蜜月をほどく(学校後遺症 だいわlog | 鳥羽和久著)

すごいものを見た。読んだと書けない。見た。

 

daiwa-log.com

だれかに読んでくれと言えない。自分が何%テキストの意味を、テキストが語ろうとしていることをくみ取れているか、甚だ心許ない。それなのに、大変なことが書かれているということがわかる。正直、ついて行けなくなるのではないかと不安になるほどの、テキストの重さだ。

 

自分にとっては小林秀雄の「当麻」以来の衝撃かもしれない。わかりにくいところは一つも無いのに、到底わからない。なのに心底感動しているし、焦りもしている。不安はないが、巨大な空間にぽっかりと浮かんでいる無力感さえ感じる。

 

何重にも隠されて、何回もねじられて、その上であたかも単純な姿で筋が通るように顕れている日常が、実はこんなに「ひねくれていた」のだと気づかさせてくれる。そこには「主体性」と「支配」という相反するものが、巧妙に隠されすぎてもはやそのさざめきを感じることすら困難な規範というベールの中で、ニヤニヤと共存している。単純な話として理解できそうなときこそ単純ではない、自分たちの身体に近いからこそ、そこには複雑かつ巧妙な規範が、自分たちによって練り込まれているのだ、ということに自分は気づけていなかった。いや、巧妙な規範の外套に包まれて、自分は気づいているのだ、というふりをさせてもらえていた。その矛盾、自分が気づくことすら適わなかった矛盾がつまびらかにされた。

 

規範というベールの中で、好都合的に混在されている「期待」と「信頼」についての、ボルノーの考えを援用した指摘が素晴らしい。その中での「信頼の賭け」という言葉は、大げさに聞こえてもかまわないが、今、悩み疲れている状態の自分には、危険なほどにまぶしく、同時にあまりにも生々しい言葉だ。リスクとかコストとかそういう軸ではなく、やるかやらないか、飛ぶか飛ばないかという賭けなのだ、そして今自分は賭けられないのだ、ということを毎日思っている自分にはこれ以上無いほどの衝撃的な言葉だ。

 

引用はできるだけ控えたいが、どうしても、どうしてもこの一文だけは手元に残しておきたい。この言葉を呪文のように唱えながら、目の前の簡単そうな顔をして手ぐすね引いている構造の問題をなんとか少しでもほぐし解きたいとおもう。

 

私たちが手放すべきなのは望ましさそのものではなく、それを透明な前提として無自覚に作用させ、結果として子どもの内面化を不可視のうちに進めてしまう構造のほうなのである。

 

守るものと捨てるもの

もちろん、そんなこと解はないのはわかってる。

 

けれど、守るもの、捨てるもの、と守るべきもの、捨てるべきもの、これらの4つの間の違いはとても大きくてとても小さい。

 

自分も相手に対して捨てたらいいとも、守ったらいいとも、両方言っている。二枚舌ではなく、本心で。しかし、言葉で落ちてくるものは矛盾したまま落ちてくる。

 

だまって目を見て伝われば一番なのだろうか。

場数だぜ

今日もかなりのアウェイ感ある集まりに参加させていただく。

が、レジェンドとお話しさせていただき光栄の極み。

 

なんとかなったよ~と戻ってきたら、そういうのは場数だからね、場数、となんともいえないコメントをもらった。ありがたや(?)

 

そう。場数を踏んでゆくしかないんだよ、自分は。年取ってきたからこそ。

「外部規範性」=「規律の事前予測による自発的な萎縮」 

「外部規範性」という言葉をしっかり考えられるようになってくると、身の回りのいろいろな微妙な点は、鳥羽さんから教わったこの言葉で整理ができてくる、と思っている。

「規律の事前予測による自発的な萎縮」 という言葉もいただいた。これも同じようなこと、同じようなところにつながる言葉。

この二つからもう一度考えてみよう。

残念

時間切れか。

考えが深まったとはいえ、文字数という達成ではひどいものだ。。。

 

そして、自分が考えたいこと(=データで示したいこと)、と本当に考えるべきことのギャップが埋められていない、これはかなりまずい。本末転倒も甚だしい。

 

しかし、その辺が自分の限界か。うーむ。

とはいえ、とはいえ、自分の凝り固まった思考に気づけたのはありがたい。

ありがてぇ

論文書いていると、ほんまありがたいなとおもう。気づいたらたった1つの文のために3時間とかかけているわけだけど、それを許してもらえているのは、いろいろな人のおかげだ。

そう思ったら頑張れるはずなんだけどな。。。。自分の議論が細かすぎたり、大雑把すぎたりしてて、それって「得意で書ける」ところだけ雄弁に語ってるあのまずい感じじゃないか、ってことで。。。。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/