Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

考えられないことを考えて、そのときにどうするかを考えてみるテスト

そんなテスト、つまり、自分の属する組織が、あり得ないような重大な事態に巻き込まれたときに、組織の一員として、しかし一人の個人として、何をすべきかを考える、という思考実験をしてみた。


ところが、これがうまくいかない。あり得ないような自体を考えると言うことができないのだ。あり得そうもない危機を考えて、そのときの対応を考えようとしているのに「そんなことあり得ないし、具体的ではないから考えられない」と、全くとんちんかんなことを言ってしまっていた。相手は「それはおかしい、全くおかしい、本当にまずい。いわゆる大企業病にどっぷりはまっているよ」と誤りを指摘してくれるのだけれど、どうおかしいのかなかなかわからず、20分くらい悶々としてしまった。


これが現実か。どれだけ頭が固くなっているのかぞっとした。空想リアリストになることの難しさを改めて感じた。これはまずい。ぞっとする。考えられていない。想像できていない。


有識者ではなく有能者、を選び(その多くは残念ながら自分の組織外からお願いすることになるだろう)、さっと小さなグループを作って、現状についての見解を示しあい、どこまでが組織の持つ能力の限界で、どこからが組織外に頼らねばならないかをまとめ(5分とかからないかもしれない)、それに沿った提言と活動を行ってゆくということではないかと。どうやって客観的にことを見るか、それが大事、そのときのツールは有能な人。その人につながることができているように最大限の努力を欠かさないこと。


少しでも賢くありたいと思い努力するのは、自分ができないと言うところの線引きをしっかりすること、そのために他ならない。できることを増やすのではなく、むしろ、できないことをしっかりと明らかにすることのため。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/