Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

安定同位体比測定というやつは

いろいろな人が警告している通り、そして僕もことあるごとに口酸っぱくいっているように、値はでる、簡単に値がでてしまう測定だ。相対測定だし。


だからこそ、本当に自分の測定は正しいの?間違ったことをしているのではないの?と、謙虚に、常に自分の測定 -- サンプリングからデータが最終的に丸められるまで -- を見つめる必要がある。


では、どこに気をつけているの?マニュアルに書いてよと言われるとなかなかかけない。正しく測れているとしたらこの値はこうなるはずだけれど、実際どうだろう?と考えれば自ずとわかるでしょう、というのではどうやらダメらしいのだが、書き始めると止まらない。止めどない。


自分は分析のセンスがないことは、周りの人々をみていればわかるので、とにかく周りに迷惑をかけないようにしたい、というのがモチベーション。なので、たとえできていることいくつかあったとしても、それらは非常に初歩的な、基本中の基本だけなので、偉そうに話をするのは本当に辛い。しかし、言い切れば、とにかくびびるくらいでいい。そんなにうまく行くはずはない、というくらいでちょうどいい。


僕は自信がないから、先輩が測っているのを滋賀までいって見せてもらった。それでもよくわかったのは修士一年の秋だった。先輩がなにをやっているか分からないし質問もできない、そんな感じだった。だけれど、とにかく先輩と違うのはまずそうだ、、と思って考えた。


謙虚になろう、謙虚に。


正しいと言い切ることは出来ないのだ。そんな傲慢な考え方は今の科学研究では可能ではない。反証可能性を一つ一つつぶしてゆくという、最大限の努力をすることだけが出来ることで、一足飛びに真実などには到達できない。そんなことは、別に科学哲学をひもとくことなく、何となく理解、実感できることだ。それを一言で言えば、謙虚になろう、真摯に謙虚になろう、だと思う。


その姿勢は、論文を書くということに結実するだけではない。むしろ論文なんて些末なものでなく、人生の習慣として、人としてしっかりと生きてゆくときにとても大事な指針となるはずのものである。


そんなことを毎日思って教育研究活動をしている。自分の測定、むっちゃ荒いけどなぁ、、、

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/