Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

外に目を向けましょう(というお願いの書簡に手を入れたもの)

「仮説」と「これまでの研究背景」を常に注意してもらうように心がけていますけど、これら2つが曖昧だと、いつまで経っても「研究室の中でだけわかる話」、「内部でだけの評価を受ける話」になってしまいます。これから社会に出て、会社の中で頑張ってゆくときに、どうしても会社の中ででの、内向きな努力になりがちだけれど、自分の会社の中でだけ通用する人、になってしまうのはまずいと思います。それに慣れてしまうと、自分の客観的な能力を問われる機会を逸してしまうことになり、ひとたび会社の中でではなく、客観的な能力を問われると、にっちもさっちもいかない、ということになります。そうなってしまったらどうしようもないのですが、その状況から抜け出しつづけるには、まさに不断の努力が必要です。常に外に目を向けるという。


研究というのは、世界のいろいろな人が頑張っていて、そのがんばり方もある意味、公表されていて、結果、自分のやっていることを客観的に観ることの比較的容易な対象だとおもいます。卒論・修論の中で、自分が実際にどんなことをやっているのか、どれだけ大事なことをやっているのか、どんな問題を世界中のみんなは抱えていて、みんなはどんな方向に進もうとしているのか、そして自分はその流れの中で何ができているのか、何が足りないのか、をしっかり考えること、そのことは、今後必ず、社会人として自分の足でしっかりと立って、立派にやってゆくための大切なトレーニングになるはずです。

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/