Vanity of vanities

Kei Koba in CER, Kyoto University, Japan

何が研究なのか?

先日、研究内容を相談に来たとある学生さんから、「同位体を使ったとしても、結論は曖昧で、でた曖昧な結論は、30年前の既存研究と同じ結論になりそうで、どんな風に進歩してゆけばいいのかわからない」と。


至極ごもっとも。


ただ、我々の研究というのは、一足飛びにすぐに環境問題への処方箋を提示出来るわけではない。そういった研究があったとしても、その結論に至るまでにおびただしいほどの小さなステップが積み重なっているはずで、問題が大きければ大きいほど、積み上げるべきステップは多いはず。1つのすばらしい、論文の後ろにどれだけの緻密な、下支えをしている仕事があるかを認識しなければならないし、そこから我々も始めなければならない。


さらに


Aという生態系での現象をいくら研究しても、Bというところの生態系のことはわからない、違うのだから、とも。


ごもっとも。


しかし、究極的にBというところで研究をしない限り、何もわからないし、実は、Bのところで研究をしても、Bのところがわかるわけではない。問題は、自分の対象を、どう一般化してとらえるか、である。


研究テーマは数日で決めるべきものではない。何が本当に知りたいのか、何が出来るから、どこを調査出来るから、ではなく、本当に知りたいことは何か、そこから始めるべきだ。


てなことを書いてみたのだが、英語だどこまで伝わっているのだろうか、、、

本拠地はこちら http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~keikoba/